時空間情報学
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最新 時空間情報学本書の内容
空間情報と呼ばれる情報は,宇宙空間,空中,地表および地下の地理的・地形的,その他様々な属性を持ち,人間との関わり合いにおいて,重要な基礎解析が可能なデータ群の総称といえます.
空間情報は,静的なデータであったり,ときには,時間経過に伴い大きく変化する動的な4次元データであったりします.本書では,アインシュタインの相対性原理を考慮せずに扱える,静的あるいは準静的な時間変化を持つ,宇宙空間からの情報データ,空中での情報データ,地表での情報データ,地下空間からの情報データなどを対象に,取得の原理,処理やその結果の可視化方法などを,最新技術を含め,その種類や解析方法・利用例などを概論的に紹介します.
本書の目的は,現代の急速なコンピュータ技術革新の中で,時空間情報がどんな場面でどのように得られ,どのように利用されているかを具体的に紹介し,将来を担う学生や社会人などの読者のために「時空間情報学」の入門編として役立ててもらうことです.情報技術に携わる,あるいは現在学んでいる読者にとって,確実に出合うであろう内容であると確信しています.
目次
第1章 時空間情報学
1.1 時空間情報学
1.1.1 時空間情報学とは
1.1.2 準光速変化対応とは
1.2 時空間情報学のすすめ
1.2.1 時空間情報学の背景
1.2.2 時空間情報学の位置付け
1.2.3 時空間情報を支える先端技術
1.2.4 時空間情報関連の機関
1.3 時空間情報学の応用分野
第2章 基礎数学
2.1 一般
2.1.1 公理
2.1.2 0割の禁止
2.2 線形代数学
2.2.1 ベクトル
2.2.2 行列・行列式
2.2.3 ベクトルの演算
2.2.4 ベクトルと幾何
2.2.5 ベクトルや行列で微分
2.3 統計学の利用
2.3.1 平均
2.3.2 データ分布
2.3.3 偏差
2.3.4 最小二乗法
2.3.5 内挿・外挿
2.4 空間の微分
2.4.1 ベクトルの発散
2.4.2 ベクトルの回転
2.5 波動方程式
2.5.1 基礎
2.5.2 弾性波・超音波
2.5.3 電磁波
2.6 テイラー展開とマクローリン展開
第3章 測量機器起源の空間情報
3.1 トータルステーション
3.1.1 測量機器
3.1.2 トータルステーション
3.1.3 後方交会法
3.1.4 測量機器の応用
3.2 写真測量
3.2.1 写真測量とは
3.2.2 立体撮影と共面条件
3.2.3 写真の解析
3.2.4 A8法による相互標定
3.2.5 写真測量の標定の手順
3.2.6 写真測量の応用例
3.3 慣性測量
3.3.1 慣性測量(慣性航法)とは
3.3.2 慣性センサーの種類
3.3.3 慣性航法の原理
3.3.4 慣性測量
3.3.5 慣性航法の応用
第4章 人工衛星起源の空間情報
4.1 衛星測位技術
4.1.1 衛星測位の革新
4.1.2 測位の流れ
4.1.3 測位衛星の種類
4.1.4 静止衛星の種類
4.1.5 その他の衛星
4.1.6 GPS信号概要
4.1.7 測位法/前方交会法・後方交会法
4.1.8 従来のGPS測位法
4.1.9 新しいGPS測位法
4.1.10 測地系
4.1.11 地球の形・重力
4.1.12 万有引力と重力
4.1.13 標高・ジオイド・GPS 高
4.1.14 GPSの応用
4.2 リモート・センシング
4.2.1 リモート・センシングとは
4.2.2 リモート・センシングの種類
4.2.3 使用される電波と波長
4.2.4 センサーの種類
4.2.5 可視センサーによる環境計測
4.2.6 熱赤外センサーによる温度環境計測
4.2.7 画像データの処理
第5章 データベース起源の空間情報
5.1 GIS
5.1.1 GISとは
5.1.2 GISの定義と基礎
5.2 GISのデータ表示
5.2.1 GISのデータ形態
5.2.2 GISのデータ表示
5.3 ベクターモデルの幾何学と位相構造
5.3.1 位相構造/トポロジー
5.3.2 GIS の位相データの表示方法
5.3.3 図形要素間の位相関係
5.3.4 ベクターモデルデータの空間分析
5.3.5 ベクターモデルデータのオーバーレイ
5.4 ラスターモデルの幾何学と位相構造
5.4.1 位相構造/トポロジー
5.4.2 ポリゴンのオーバーレイの概念
5.4.3 ラスターモデルデータのオーバーレイ
5.5 データベース
5.5.1 データベースの管理
5.5.2 データベースの種類
5.6 地図メッシュコード
5.6.1 第1次地域区画
5.6.2 第2次地域区画
5.6.3 第3次地域区画
5.6.4 正規座標系
5.7 GISの利用
5.7.1 利用分野
5.7.2 GIS導入計画
5.7.3 GIS利用形態
5.7.4 GIS利用例
第6章 探査技術起源の空間情報
6.1 探査技術
6.1.1 探査技術について
6.1.2 受動的探査とは
6.1.3 能動的探査とは
6.2 受働的探査
6.2.1 信号計測-地震計測
6.2.2 信号計測-気圧計測
6.2.3 信号計測-潮位計測
6.2.4 信号計測-重力計測
6.2.5 信号計測-磁力計測
6.2.6 状態計測-変位計測
6.2.7 状態計測-傾斜計測
6.2.8 状態計測-温度・湿度計測
6.3 能動的探査
6.3.1 振動計測-超音波探査
6.3.2 振動計測-弾性波探査
6.3.3 信号計測-電磁波探査
6.3.4 信号計測-電気探査
6.3.5 信号計測-磁気探査
6.3.6 信号計測-電磁探査
6.3.7 信号計測-画像探査
6.3.8 信号計測-光探査
第7章 可視化技術
7.1 DTM/TIN
7.1.1 表示方法の種類
7.1.2 DTM
7.1.3 DEM
7.2 疑似立体技術
7.2.1 立体画像の意味
7.2.2 立体視
7.2.3 2次元立体図
7.2.4 オルソ画像の作成
7.3 見える化技術
7.3.1 光を用いた可視化
7.3.2 測定技術と可視化
7.4 VR/AR 関連技術
7.4.1 VRやARの意味
7.4.2 VRとは
7.4.3 ARとは
7.4.4 テレイグジスタンス
7.4.5 利用例
7.5 IDタグ/エアタグ
7.5.1 IDタグの種類
7.5.2 バーコード
7.5.3 RFIDタグ
7.5.4 RFIDタグの身近な応用例
第8章 地球科学
8.1 地球科学
8.1.1 地球科学とは
8.1.2 地球空間を調べる
8.1.3 地球空間のダイナミクス
8.1.4 ホットスポット
8.1.5 海洋底
8.1.6 全地球的エネルギーバランス
8.1.7 地球の内部構造
8.1.8 地震波の地球内部伝播の特徴
8.1.9 地殻のテクトニクス
8.2 地震
8.2.1 地震発生のモデル
8.2.2 震源と震央
8.2.3 地震の規模と揺れ
8.2.4 マグニチュードとエネルギー
8.2.5 地震予知
8.3 火山
8.3.1 活火山
8.3.2 火山フロント
8.3.3 火山の噴火活動
8.3.4 火山性地震
8.3.5 火山噴火予知
8.3.6 時間間隔解析
8.3.7 理学と工学