ケア研究 No.4
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ケア研究・発刊の言葉より
〈介護〉が時代の期待や要求に応えるには、医学、看護など介護の周辺領域だけでなく、工学、法学、哲学、経済学、建築学、情報科学などあらゆる視点、領域からの研究アプローチが必要となります。さらに、〈介護〉は、さまざまな分野における研究成果を活用するだけでなく、研究するべきテーマ、進むべき方向を提示していかなくてはなりません。「ケア研究」誌は、介護をテーマにしてあらゆる領域の学問の成果を発表する学術論文誌です。本誌の編集委員にはさまざまな領域の研究者に参加して頂いていますが、まさに、時代の要求に応えるべき〈介護〉だから可能なのであり、必要なのです。
私自身は、これまで自閉症の治療教育に取り組み、さまざまな理論と手法を確立してきましたが、それらの成果を介護の分野においても役立てたいと思っています。私は、臨床心理学という立場から、介護の研究をしていきたいと考えています。介護とは、「いたわりと思いやり」であります。介護の研究をすると言うことは、「いたわりと思いやりの心をもつ」ということであると思います。そのような表現は学術誌として適切でないかもしれません。しかし、介護が生活にかかわるということであるならば、さまざまな領域の研究者の共通の理解としては、「いたわりと思いやり」を研究する学術誌ということを目指したいと思っています。そして、本誌創刊にあたって、ジャンルをこえて、様ざまな研究者に賛同を得られた理由もそこにあります。
石井 哲夫
投稿論文
- 中国の一民間教育研究所における自閉症児の発達支援と母親の心理的変化
寄稿
- 東アジア版介護の心の創造・儒教文化における介護の思想
- アートセラピーの考え方を取り入れた「エンリッチメント折紙療法」
ニューヨークの高齢者を囲んで楽しむ折紙 - ユニットケアのあるべき姿への一考察