楽しく学ぶ微分積分
定価 | ¥2,200(税込) |
ページ数 | 194 |
サイズ | A5 |
著者 | 河村 哲也 桑名 杏奈 |
発売 | インデックス出版 |
ISBN | 978-4-901092-92-0 |
ISBN (電子書籍) | 978-4-910058-65-8 |
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はじめにより
以前,著者の1人が,主として物理系の学生を対象とした微分積分学の入門書として,「物理のための微分・積分」という本を出版しました.そして,この本を用いてお茶の水女子大学理学部情報科学科の1年生に対して,必修科目である「微分積分学1~4」(4学期制のため1~4で1年間の講義)の講義をおこなってきました.実際に講義を行うと,この部分はわかりやすい図があった方がよいとか,この部分はあまり重要でないとか,逆にこの部分は詳しい説明があった方がよいとかいろいろと希望が出てきました.そのような中でこの本の改訂の話が持ち上がったため,この機会をとらえて新たな著者を1人加えて大幅に書き直すことにしました.
「物理のための微分・積分」ではわかりやすさを第一に考えましたが,今回はわかりやすさとともに,楽しさを前面に出すことにしました.そのためには,パソコンを用いて実際に関数のグラフ等を書くのがよいではないかと考え,本書の終わりの部分にパソコンを用いた作図法を示しました.
作図には,現在大学生にとって理系・文系を問わず一般的であり,多くのパソコンにも付属ソフトとしてインストールされている「Excel」を用いるとともに「Excel」の簡単な使い方の説明もしています.この部分が他書にはあまりみられない本書の大きな特色となっています.もちろん,パソコンによる作図の部分を読まなくても,前著と同じく微分積分学のわかりやすい教科書として使えるようになっています.
さらに編集部の方の意見に従って花模様のイラストを随所にとり入れました.
本書を通年の微分積分学の教科書として用いる場合,前期で1~4章,後期で5~7章・付録(4学期制の場合は1,2章が1学期,3,4章が2学期,5章と6章前半が3学期,6章後半と7章および付録が4学期)が適当と思われます.
本書によって微分積分学の基本事項が,高校数学とのギャップを感じずに,スムーズに,楽しみながら理解されるとともに,大学2年生以降に学ぶ解析学関連の科目への道案内や橋渡しになれば幸いです.
目次
第1章 種々の関数
- 関数
- 簡単な関数
- 指数関数
- 対数関数
- 双曲線関数
- 三角関数
- 逆三角関数
第2章 1変数の関数の微分法
- 極限
- 関数の連続性
- 微分係数と導関数
- 微分の公式
- 高階導関数
- 平均値の定理
第3章 微分法の応用
- 接線の方程式
- 曲線の概形
- テイラーの定理
- 関数の展開
第4章 不定積分
- 不定積分
- 不定積分の性質
- 典型的な関数の不定積分
- 有理関数の積分
- 無理関数の積分
第5章 定積分とその応用
- 面積と定積分
- 定積分の性質
- 不定積分と定積分の関係
- 広義積分
- 定積分の応用
第6章 多変数の関数の微分法
- 多変数の関数
- 偏導関数
- 高次の偏導関数
- 合成関数の微分法
- 多変数のテイラー展開
- 全微分
- 偏微分法の応用
- 条件付き極値問題と陰関数定理
第7章 多変数の関数の積分法
- 2重積分
- 2重積分の性質
- 2重積分の計算法
- 3重積分
- 極座標における多重積分
付録
- べき級数
- 章末問題略解
- Excelを用いた作図法