新・介護の本質
定価 | ¥1,650(税込) |
ページ数 | 144 |
サイズ | A5 |
著者 | 田中 安平 |
発売 | インデックス出版 |
ISBN | 978-4-901092-52-4 |
ISBN (電子書籍) | 978-4-910058-56-6 |
(在庫切れ)カートに入れる
(電子書籍)試し読み
はしがき より
介護福祉士は社会福祉を学び,社会福祉士は介護福祉を学ぶべきである。これは私の信念とも言うべき持論である。
1987年に社会福祉士及び介護福祉士に関する法律が成立し,介護関係に携わる専門職として427,573人の介護福祉士が誕生(平成17年10月末現在)した。
内訳としては国家試験合格者が244,133人,養成施設卒業者が183,440人となっている。養成校の状況は,1年コースで46学校66学科2,276人。2年コースで303学校319学科20,583人。3年コースで8学校49学科2,076人。4年コースで45学校45学科1,915人。全体で年間26,850人が誕生することになる。
このような中,今年度になってやっと業務独占についての話題が介護福祉士養成施設校の総会の席上出てきたが,いまだ暗がりを手探りの状態であることには変わりはない。また,制度的問題は別にしても,介護福祉士が専門家としての社会的認知をされているかというと,この点も心許ない。なぜこのような状況が続いているのかと考えたとき,「介護福祉の専門性とは」「介護の専門家に求められる介護哲学とは」,また専門家である介護福祉士を養成する「介護教育とは」等々について論じられることがほとんどなかったことに原因の一端があると思われる。
大学で植物生理学を学んだ私が,縁あって老人福祉の仕事とかかわりをもったのが1976(昭和51)年6月のことであった。以来,1995(平成7)年までの19年間を特別養護老人ホームの介護職等で勤務し,1995~1997年の2年間の介護福祉士養成学校での教員としての経験を経た後,再び老人保健施設・視覚障害者養護老人ホームの福祉現場で勤めた。
本書が,介護福祉の専門性に関する議論の火種となり,介護福祉士の地位向上につながれば幸いである。
目次
Part 1. 介護とは何か
- 介護の哲学と倫理
- 介護の本質・定義
- 生活支援ということ
- 医療・保健と福祉
- 看護と介護
- 介護の定義
- 介護の専門性
- サービス業としての介護
- 企業的サービス業としてのサービス
- 福祉的サービス業としてのサービス
- 主体性を尊重すること
- 介護の本質・定義
- 日本における介護と介護専門職
- 日本的ということ
- 日本的思考
- 日本的介護
- 施設介護と在宅介護
- 施設とは在宅とは
- 施設とアパートの相違
- 施設介護と在宅介護
- 日本における介護専門職
- 介護福祉士の卒後研修
- 日本的ということ
Part 2. 介護教育のあり方
- 生活支援という視座
- 生活とは
- 手段としての生活行為
- 目的としての生活行為
- 生活支援とは
- 生活とは
- 養成校における福祉教育―理科系教育との比較のなかで―
- 理科系教育とは
- 福祉教育とは
- 介護の専門性
- 介護独自の専門性
- 介護の専門性と専門的介護
- 専門性とは
- 専門的介護
- 介護福祉専門教育
- 多様な介護の意味
- 場の違いによる介護
- 医療現場における専門的介護
- 福祉施設における専門的介護
- 中間施設(老健施設)における専門的介護
- 在宅における専門的介護
- 発達段階における介護
- 障害児介護
- 障害者介護
- 老人介護
- 養成教育の課題
- 場の違いによる介護
Part 3. 資料
- 資格制度とマンパワー確保に関する提言
- 資格制度(内容)に関する提言
- マンパワー確保に関する提言
- 特養のあるべき姿―ケアワーカーの体験から提言する―
- リハビリテーション
- ADL評価の基準統一について
- リハビリテーションに携わる職員の配置と資質
- リハビリテーションの必要性
- 生理的処遇と精神的処遇
- なぜ精神的処遇が重要視されないのか
- 認知症問題と精神的処遇
- 望ましい処遇確立のための職員定数と基本的処遇内容
- 地域における施設の役割
- 施設処遇
- 平均的処遇内容の試案
- リハビリテーション
- 施設(特養)における認知症老人の接遇について
- 認知症老人の徘徊はすべてに目的があるのか?
- 介護的対応
- なじみの関係