人を知る、人を測る

カバー
定価 ¥2,200(税込)
ページ数76
サイズB5
著者柴田昌和・加藤千恵子・寺田信幸
発売インデックス出版
ISBN978-4-901092-66-1
カートに入れる試し読み

はじめにより

「こころ」と「からだ」は密接な関係にあります。身体的な変化を起こさない感情はないとさえいわれています。例えば、顔色。赤くなったり、青くなったり。あなたも経験 があるでしょう。どのようなときに赤くなりますか?青ざめるときって?よ~く思い出してみてください。身体的反応としては、顔面の皮膚血管が拡張してたくさんの血液が 流れれば赤く、血管が収縮して血液量が減れば青白い顔色になります。この変化は、自律神経系の調整により生じます。自分が意識することなく自動的に身体を調節する神経 系を自律神経といい、交感神経と副交感神経から成ります。皆さんの身体は、この自律神経系や内分泌系などさまざまな調節システムによって、どのような環境においても常 に最良の状態に維持されています。これを恒常性の維持(ホメオスタシス)といいます。本著では、人が、周りの環境をどのように感じ、周りの環境に応じてどのような反応 をしているのか?  実際に観察、計測することにより、身体の理解を深め、こころとの関係にせまるための実験的アプローチを紹介しています。身体を知り、身体を測ること は、人を知り、人を測ることに通じています。実験を通して、身体と心はどのように結びついているのか?

身体は心にどのような影響を与えているのか?心は身体にどの ような影響を与え、どのような身体の反応として現れるのか?しっかりと学んでください。それにより自己の理解が深まり、他者の思いが理解できる人となれるでしょう。

目次

  1. 第1章 レポート・論文の書き方
    1. 実験で大切なこと
    2. 実験計画を立てよう
    3. レポート・論文の必須項目
    4. データの記述と分析
      1. 代表値
      2. 散布度
      3. 統計学を用いた分析
  2. 第2章 人を測る
    1. 心拍数・血圧
      1. 心拍数・血圧から何がわかるか
      2. 心拍数・血圧の測定
    2. 脳波
      1. 脳波から何がわかるか
      2. 脳波の測定
    3. 発汗
      1. 発汗から何がわかるか
      2. 発汗の測定
    4. アミラーゼ活性
      1. アミラーゼ活性から何がわかるか
      2. アミラーゼ活性の測定
    5. 皮膚感覚
      1. 皮膚感覚から何がわかるか
      2. 皮膚感覚の測定
    6. 嗅覚
      1. 嗅覚から何がわかるか
      2. 嗅覚の測定
    7. 味覚
      1. 味覚から何がわかるか
      2. 味覚の測定
    8. 聴覚
      1. 聴覚から何がわかるか
      2. 聴覚の測定