Excel土木講座 エクセル河川工学入門

カバー
定価 ¥3,520(税込)
ページ数182
サイズB5
著者本間 仁(東京大学名誉教授)
荻原 国宏(東洋大学教授)
田中 寿美(環境流体研究所)
李 美英(お茶の水女子大学大学院)
織田 友恵(お茶の水女子大学大学院)
発売山海堂
ISBN4-381-01683-1
ISBN (電子書籍)978-4-910058-38-2
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はじめに より抜粋

昨今、環境問題が注目されるようになり、河川についての関心も高くなってきている。河川工学は河川の諸性質を明らかにし、その知識の基礎に立って、洪水の災害を防止し、河川の利用を高めるための諸計画、そのための各種の工事、工作物などを対象として扱う工学である。本書では、河川工学の中で河川の形態を扱う河川学、雨水・河水の循環系に関する諸性質を扱う水文学について概要を述べ、さらに河川の水理についても言及した。そしてそれらの説明及びいくつかの実用的なプログラムをエクセルを使用して作成した。

本書は本間仁先生の著書をベースとしている。そおれらはいずれも半世紀近くの時を経ており、パソコンどころか電卓さえもない時代に書かれたものである。言うまでもなくその内容については色あせてはいないが、パソコンを使用することが前提となった現状では対応できなくなってきている。毎年お正月には欠かすことなく、本間先生のお宅には多くの弟子たちが集まる。例年の話題として、本間先生の本を次世代に残したいという話が出る。恒例の話題がこうしてようやく形となった。思いの外時間が掛かってしまい、肩身の狭い思いをしていたが、これで来年のお正月には少しは胸をはれそうだ。

目次

  1. 河川と地形
    1. 河川の流域形態
      1. 流域
      2. 河道と河谷
      3. 支川とその配置
      4. 山地部と平地部,流域の平均幅
      5. 流域の平均高度と平均縦断曲線
    2. 河谷の地形
      1. 流水の3作用と河谷の3区分
      2. 河床縦断形状と平衡勾配
      3. 河道の平面形状と蛇行
      4. 河口の形状
    3. 浸食作用による河道の長期変遷
      1. 幼年期の河谷
      2. 壮年期の河谷
      3. 老年期の河谷
  2. 降雨量の算出
    1. 降雨
      1. 水の循環
      2. 風の表示
      3. 大気の環流と気団
      4. 台風
      5. 降雨の種類と特性
      6. 雨量の観測
    2. 雨量の分布
      1. 流域の平均雨量
      2. 平均年雨量
      3. 最大日雨量
      4. 最大時間雨量
      5. DAD解析
      6. ハイエトグラフの作成
    3. 水文統計
      1. 正規分布
      2. 非対称分布
      3. 適用分布系の選定
      4. 相関と回帰解析
      5. 時系列データ
  3. 流出量の計算
    1. 蒸発と浸透
      1. 蒸発
      2. 浸透能
    2. 蒸発と浸透
      1. 雨量と流出
      2. 流量図
      3. 地下水流出
    3. 流量図の推定
      1. 簡単な流量図のかき方
      2. 単位図法
      3. 流出関数法
      4. 貯留関数法
      5. 等価粗度法
      6. 準線形貯留型モデル
      7. タンクモデル法
    4. 計画洪水量(高水量)の決定
      1. 計画洪水量
      2. 計画洪水量の決め方
  4. 河川の水理
    1. 河川の平均流速と流量
      1. 流速分布と平均流速公式
      2. 水位流量曲線
      3. 最小二乗法による水理流量曲線の作成
      4. 平均流速公式と粗度係数,径深
    2. 洪水
      1. 洪水の伝搬速度と洪水時の平均流速
      2. 洪水追跡
      3. 河道貯留量の決め方と追跡の方法
      4. 調節池による洪水調節
    3. 感潮河川の流れ
      1. 感潮河川の水位と流速
      2. 感潮部の洪水時の流れ
      3. 河口密度流
    4. 河床変動計算
      1. 掃流と浮遊
      2. 限界掃流力
      3. 掃流砂量
      4. 浮遊土砂量