| ホーム | 商品情報商品情報 | ダウンロードダウンロード | オンライン注文オンライン注文 |

最新 建設マネジメント

カバー

定価 本体価格¥2600+税
ページ数 270
サイズ
著者 小林 康昭
発売 インデックス出版
ISBNコード 978-4-901092-51-7
カートに入れる 献本を申し込む 試し読み

著者略歴

長野市松代出身

1940年5月生まれ

1963年 早稲田大学第一理工学部土木工学科卒業

同年 大成建設株式会社入社 土木設計部勤務

1969年 インドネシア・デュマイ製油所建設工事 土木係長

1972年 土木設計部 設計主任

1974年 クウェート・ドーハ火力発電所建設工事 設計係長

1977年 ナイジェリア・カドナ製油所建設工事 技術係長

1979年 アラブ首長国連邦 ラッサルハイマセメント工場建設工事 所長

1982年 サウジアラビア・ペトロミンシェル製油所建設工事 所長

1983年 サウジアラビア・シャーク石油化学工場建設工事 工事長

1985年 サウジアラビア・イラクパイプライン建設工事 工事長

1987年 ビルマ(現ミャンマ)・ラングーン国際空港建設工事 所長

1990年 米国大成建設 副社長 兼大成ベクテル共同企業体 代表

1965年~1990年に,ソウル・ロサンゼルス・アルジェ・北京・モントリオールなどにて契約業務,タクナ(ペルー)・パリなどにて設計業務,シンガポール・ボンベイ(現ムンバイ)・マニラ・ダッカ・バンコック,ゴールドコースト(豪)などにて調達業務に従事.

1997年 大成建設株式会社 顧間

現在 足利工業大学 教授、早稲田大学・法政大学 非常勤講師、そのほか,国土交通省国土交通大学校講師,土木学会,内閣府,国土交通省,厚生労働省,栃木県,全国建設業協会,海外建設協会などの委員長,座長,委員など.

著書 Boosting Your Opportunities Iowa State University共著、土木和英辞典,近代図書 共著、土木英和辞典,近代図書、社会基盤の整備システム 第12章 社会基盤整備と建設業,経済調査会 共同執筆、新領域土木工学ハンドブック 27章 建設マネジメント,朝倉書店 共同執筆、実用地盤・環境用語辞典,山海堂 共著、施工技術,経済調査会 共著、基礎から学ぶ土質工学,朝倉書店 共著

資格 測量士,技術士(建設部門 総合技術監理部門),一級土木施工管理技士,土地区画整理士,博士(工学),土木学会特別上級技術者

はじめに より

建設マネジメントの概念や認識は,アメリカで誕生し発展してきた.アメリカは,きわめて実用的かつ現実的な価値観が支配する社会である.わが国のバブル崩壊期に先立つ20年ほど前に,アメリカでは,社会的経済的に大きな転換の節目を迎えていた.建設の世界も大きな影響を受け,さまざまな面で,大きな転換を余儀なくされた.小さな政府の企て,名門企業の買収や合併,経営陣の更迭や引抜き,CM・VE・Partneringなど新しい仕組みの創造などの挑戦が試みられた.当然ながら,教育の世界にも社会のニーズの波が押し寄せた.その結果として,建設マネジメントの研究や教育が,実用的で現実的,すなわちプラグマティックなニーズをキーワードに,産み出されたのである.

従来の建設生産は,管理という伝統的な形で問題を解決し目標を達成してきた.しかし,現代の環境では,早く,良く,安く,の管理指標だけでは,問題の解決は困難になった.社会からの評価も得られなくなった.時代の変化にも応えられなくなった.そこで,建設の世界をとりまく社会からの要求に応えられるような建設マネジメントの確立とその実践に迫られた,ということである.

わが国では,バブル崩壊後,さまざまな分野で,社会的経済的価値観の大きな転換を迫られている.建設分野の世界も,例外ではない.それゆえに,価値観が変化し先行きが確然としない,経験則が適用できない,前例踏襲を受け付けない,筋書に沿った管理では対処できない,そのような環境の混迷期にこそ,建設マネジメントの存在意義が求められる,ということである.

そのような時代的な変化を背景に,わが国の土木や建築などの建設系の学科では,マネジメントに関連する講義や研究が増えてきた.建設マネジメントは,建設生産を合理的に行うことを追求する,もしくは,建設生産の合理性を追求する行為である.合理性とは,生産性や採算性を重視する効率性ばかりではなく,便益性や倫理観を重視する社会性や,安全性や人道的な観念まで踏み込んだ人間性の領域も含む,と考えられている.そしてマネジメントの対象は,組織や制度などの仕組みばかりではなく,設計や施工などの生産行為や,職場の環境や人間関係なども含んでいるのである.

したがって,建設マネジメントが扱う領域は広い.この本で取り上げる対象も,31章の多岐にわたっている.これを,社会基盤整備を支える仕組み,マネジメントの基本的な知識,建設産業の構造,建設生産の発注システム,生産管理のマネジメント,採算性のマネジメント,マネジメントと技術者,の7部に分類して構成した.記述にあたっては,基本を重視すること,事実をはずさないこと,につとめた.その意味では,この本は今まで建設マネジメントに無縁だった人にとって,建設マネジメントのあらゆる領域の基本的な知識と認識を網羅することに努めた啓蒙書のつもりである.ささやかながら,建設マネジメント問題に初めて接する人々にも,一助になれば幸いである.

目次

I 社会基盤整備を支える仕組み

  1. インフラストラクチャーと建設プロジェクト
    1-1 インフラストラクチャー
    1-2 建設プロジェクト
  2. プロジェクトの計画,資金,評価
    2-1 事業計画の動機
    2-2 計画調査の業務
    2-3 事業資金の調達
    2-4 プロジェクトの評価
    2-5 社会基盤整備にかかわる法令
  3. 公共事業と建設行政
    3-1 社会基盤整備と公共事業
    3-2 建設投資と公共事業
    3-3 公共事業の政策
    3-4 公共事業の発注者
    3-5 発注者責任の問題
    3-6 公務員の資格
  4. 設計のマネジメント
    4-1 設計の基本概念
    4-2 設計のシステム
    4-3 バリュー・エンジニアリング(VE)
    4-4 設計の基準・指針・示方書など
  5. マネジメントの関連法規
    5-1 労働の条件と環境
    5-2 労働の安全と衛生
    5-3 建設業の許可,契約,経営等
    5-4 商行為および取引
    5-5 国等による公共工事の契約
    5-6 環境の保全
    5-7 公共の義務と権利
    5-8 公務員の服務規律

Ⅱ マネジメントの基本的な知識

  1. マネジメント
    6-1 マネジメントの基本概念
    6-2 マネジメント的リード
    6-3 マネジメント組織の行動様式
    6-4 マネジメントと組織文化
    6-5 プロジェクトマネジメント
  2. プロジェクトマネジメント
    7-1 プロジェクトマネジメントの基本概念
    7-2 プロジェクトチーム
    7-3 プロジェクトマネジャー
  3. 人材のマネジメント
    8-1 人材雇用の原則
    8-2 キャリアパス
    8-3 待 遇
  4. マネジメントの組織
    9-1 企業組織の変遷
    9-2 マネジメント組織の変化
    9-3 組織におけるマネジメント階層の構造
  5. マネジメント論の系譜
    10-1 マネジメント論の対象
    10-2 マネジメント理論の流れ
    10-3 日本的マネジメント論の系譜
    10-4 日本のマネジメントの変遷

Ⅲ 建設産業の構造

  1. 建設市場
    11-1 建設市場
    11-2 建設投資と国内総生産
    11-3 土木と建築
    11-4 公共工事と民間工事
    11-5 建設投資の地域別構成
    11-6 公共工事の動向
    11-7 主要な建設市場指標の国際比較
  2. 建設業
    12-1 建設業
    12-2 建設業の種類
    12-3 許可業者
    12-4 建設の経済活動の表現
    12-5 共同企業体(Joint
    12-6 業界団体
  3. 建設会社
    13-1 建設会社の歴史
    13-2 一般的な企業構造
    13-3 総合建設会社:元請け建設業者
    13-4 専門工事会社:下請け建設業者
    13-5 企業の経営指標
  4. 建設関連業
    14-1 建設関連業
    14-2 建設コンサルタント業
    14-3 測量業
    14-4 地質調査業

Ⅳ 建設生産の発注システム

  1. 建設生産システム
    15-1 直営システム
    15-2 設計直営・施工発注システム
    15-3 設計・施工分離発注システム
    15-4 設計施工一括発注システム
    15-5 性能発注システム
    15-6 マネジメント委託システム
    15-7 民間資金活用(BOT)システム
    15-8 建設生産システムの誕生と役割分担の歴史的系譜
  2. 積算と予定価格
    16-1 発注機関の調達行為
    16-2 積 算
    16-3 予定価格
  3. 業者の選定
    17-1 選定方法の種類
    17-2 競争の要件
    17-3 入 札
    17-4 随意交渉
    17-5 特 命
    17-6 多様な業者選定方式の例
  4. 契約
    18-1 契約の基本概念
    18-2 契約の種類
    18-3 請負契約の種類
    18-4 請負契約に併用される特記契約
    18-5 建設工事の請負契約書の原則
    18-6 標準契約約款

Ⅴ 建設生産管理のマネジメント

  1. 工程管理
    19-1 工程管理の基本概念
    19-2 工程管理の意義
    19-3 工程計画
    19-4 工程の進捗管理
  2. 安全管理
    20-1 安全管理の基本概念
    20-2 労働災害
    20-3 管理の組織と責任者
    20-4 安全対策
  3. 品質の保証と管理
    21-1
    21-2 品質保証
    21-3 品質管理
    21-4 品質管理の統計的手法
    21-5 工事検査
    21-6 わが国の品質管理の歴史
    21-7 品質管理の基準・指針・示方書など
  4. 契約管理
    22-1 契約管理の目的
    22-2 契約管理の業務内容
    22-3 契約上の権利と義務
    22-4 契約締結時の確認や交渉の対象事項
    22-5 施工中に多発する契約条件の変更
    22-6 完成後に起りがちな条件
    22-7 当事者間の係争処理の方法

Ⅵ 採算性のマネジメント

  1. 見積りと実施予算
    23-1 見積り
    23-2 実施予算
  2. 調達管理
    24-1 調達業務
    24-2 資材調達
    24-3 機械調達
    24-4 労務調達
  3. 原価管理
    25-1 原価管理の基本概念
    25-2 収支見通しの把握
    25-3 収支改善の試み
  4. 決算
    26-1 決算の基本概念
    26-2 単独工事の決算
    26-3 共同企業体の決算
    26-4 建設会社の決算

Ⅶ マネジメントと技術者

  1. 環境の調和と保全
    27-1 環境問題
    27-2 建設と環境とのかかわり合いの歴史
    27-3 建設公害
    27-4 建設施設と環境
    27-5 地域環境の問題
    27-6 地球規模の環境破壊
    27-7 環境アセスメント
    27-8 建設技術と環境対策
  2. 技術者の倫理
    28-1 倫理の基本概念
    28-2 法と道徳と倫理
    28-3 技術者の倫理問題の背景
    28-4 職業倫理に関する諸問題
    28-5 建設技術者の倫理上の要綱・規定
  3. 技術者の専門資格
    29-1 技術者と専門資格
    29-2 資格への挑戦の意義
    29-3 建設技術者の公的資格
    29-4 技術士試験
    29-5 技術土第1次試験
    29-6 技術士第2次試験
    29-7 土木施工管理技士
    29-8 測量士
    29-9 建築士
  4. 建設の国際化とマネジメント文化
    30-1 建設分野の国際化の歴史
    30-2 海外工事の特徴
    30-3 建設マネジメントの国際比較
    30-4 建設会社の企業体質の国際比較
    30-5 内なる国際化
  5. 社会基盤整備の展望と課題
    31-1 建設市場の展望
    31-2 市場変化と意識改革
    31-3 「シビルエンジニア」の仕事
    31-4 「シビルエンジニア」の価値